変な虫に取り憑かれていた。
見た目は、少し透けた薄いピンクのもやしを組み合わせて馬の形にしたようなかんじで、目や口は無い。
末端が全て先細っていて、東京タワーのキャラクター、のっぽんに似ているので、私はのっぽんと読んでいた。
大きさは6cmくらい、瑞々しい。
何をしてくるわけでも無いが、ずっと私の体のどこかにくっついていて気味が悪い。足の先の感触は極小の吸盤のようなかんじ。払っても落ちない、取れない、本当に憑かれたという言葉がぴったり。
いつの間にかいなくなったと思ったら、パーカーのフードの中にいたり、ふくらはぎの裏にいたり。一度、トイレの便器に落ちたので思い切って流してみたけど蘇ってきた。その根性がまた気味が悪い。
嫌だった。