港町の海辺の部屋にお泊まりしている。住んでるのかもしれないけど、まだ引っ越してきたばかりだと思う。
夜、定期的に飛び跳ねるような音がするので、窓から外を見てみると、クレーンでビルの5階くらいの高さに吊るされている小さなアザラシ🦭に向かって、お母さんアザラシとその友達の大きなエイが交代でジャンプして助けようとしている。
ちょうど届かない高さみたいで、何度も何度も挑戦して諦めない姿は感動的で、夫と応援しながら見ていた。
翌朝目覚めると、まだジャンプは続いていた。一晩中やっていたのかと驚き、また応援しながら見ていた。
するとお母さんアザラシが子供に届いてパクッとした。でも助けられなかった。またジャンプは何度も続いて、次はエイが届いた。エイは鋭い牙があるのか、ロープを噛んで割いて遂に赤ちゃんアザラシは下に落ちた。エイも風に乗りながら海へ落ちる。その時、エイと同じくらい大きなトンビが、エイの後ろからサッと来てエイを食べた。
赤ちゃんアザラシは変な方向に転がってしまって私たちの部屋から死角のビルの隙間に行ってしまったみたいだった。
心配になって部屋を出て赤ちゃんアザラシを探しに行くと、転がっていたのはアザラシではなく、メルヘンなかんじの三角の帽子を被った人間の子供だった。でも、すこし小人のような、妖精のような不思議な雰囲気がした。
そこに港町の子供がきて、「あの子どうする?とりあえずあの壁にあの子の家と家族作ってあげる?」と聞かれる。
女の子の指からはキラキラしたものが出ていて魔法が使えるらしい。家と家族が出来ればすぐに助けてもらえるだろうし助かるかもしれないと思ったけど、倫理的にどうなんだろうかとも悩み、とはいえ人間じゃ無さそうなこの傷ついた子供をどうしたらいいのかも分からなくて、街の大人を探しに行く。